アニメ内の時間軸問題
今のアニメ視聴者は時間軸を崩す手法に不慣れな人が多い? − 視聴者のイメージ補完とネガコメと - klimの独り言
そもそもアニメっていうコンテンツは一方的に時間が流れるもので安易に時間軸を崩してはいけない。
その点で小説や漫画と異なる。
基本的にアニメというのは巻き戻してみたり、何回も見るというものではない。
アニメは自分のペースで見ることができる小説や漫画と違って心底丁寧に作られないといけない。
たとえば、作中よりもっと前を回想する場面を考える。
作中より前の過去を視聴者に伝えるためにはどうしても時間軸を前に戻す必要性がある。
となると普通、アニメ等の映像の回想は明らかに過去で時間軸が違いますよという映像エフェクトがかけられている。視聴者に対する配慮である。
これが小説や漫画ならそこまで気にする必要がない、わからなくなったら戻ればいいから。
じゃあ問題になったハヤテはどうか、見てみた。
11話と12話は連続した話で、簡単にいえばハヤテが誰かとキスをしなければヒロインのナギが危ないのでハヤテがあーだこーだするという話である。
話自体の構造としては
1.ハヤテは誰かとキスする必要がある。(起)
2.キスをしないとナギが危ない。(理由)
3.ハヤテがキスをするために翻弄する。(過程)
4.結末
となっている、単に時間の流れをあわせるだけであれば、1から順番にやればいい。
ただ、11話の構成は
1.ハヤテは誰かとキスする必要がある。(起)
3.ハヤテがキスをするために翻弄する。(過程)
2.キスをしないとナギが危ない。 (理由)
こういう構造になっている。11話の最後を衝撃的な展開にするために2を最後にもってくる必要があった。ただ、時間軸通りにやるとアバンの次のAパートぐらいに2がきてしまってインパクトがないと判断したのだろう。
そのために時間軸を入れ替えて構成しているが、これはわりとある構成。
アバンに現在をもってきて、Aパートからその現在にいたる過程をもってきて、Bパートの最後にアバンに戻る。
で、わかりづらくなっている大きな要因が3(過程)で時間軸の入れ替えが行われていることである。
もちろん3のハヤテが翻弄するところも時間の流れがあるわけで、そこをやたらめったら入れ替えてるからわけがわからなくなっている。
正直いって3の中の時間軸を入れ替える必要がよくわからなかった。
それと、先生同士の恋の話も3の途中で入ってるしこれも話をややこしくしている要因だろう。直接関係ないし。
なんで先生同士の話が入ってくるのか、キャラが多いアニメだと最終回に全キャラ登場させようとして無理くりな展開になるのがあるけど、今回のハヤテもそんな感じを受けた。(でもこの話自体はいいんじゃないかと思ったけどね)
まとめ
・理由を最後にもってくるために時間軸を崩した(納得できはなくはない)
・過程の中の時間軸をやたらめったら入れ替えている(する必要がよくわからない)
・先生同士の恋の話を11話の途中であたかも重要そうに挿入したこと
こんな感じだろうか、別に11話のラストにキスの理由もってこなくてもここまで見た視聴者なら最終話まで見ると思うんだけどな、というのが感想。
今回見た感じでは視聴者のイメージ補完とかそういう問題じゃなかった。
視聴者によるイメージ補完っていうのはカットとカットの間の出来事のことで、時間軸のことではない。
一方的に時間が流れるアニメでは基本的に時間の流れは一方向であるのが望ましい。
どうしても流れを変える場合は視聴者にわかるようにすべきである。
ちなみに、11話の題名の「ドアをノックするのは誰だ?」に意味あるかなと思って、ぐぐったら「ドアをノックするのは誰?」っていう映画があったんでそれの演出かもしれませんが、見たことないので知りません。